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やがてマシンガンの煙が晴れて、少しだけ視野が確保出来た。すると部屋中にさっきの無法な奴らが倒れていた。首筋から血を流して。
「シンちゃん、ごめん。ワタシ嘘ついてた…」
「お前…ヴァンパイア…か」
「紫外線が苦手なのはホントだけど、病気というのは嘘。私…ただの吸血鬼の血を引いてるの」
古乃実を見ると、さっき打たれた筈の傷痕が、もう再生仕掛けている。
この状況に俺は喜ぶべきか迷った。俺だって古乃実に首筋を噛まれれば、今転がっているこいつらと同じむくろになるだけだ。
「逃げてよ…一緒に」
「逃げる?…俺がか」
「パパは、ヴァンパイアが銃くらいじゃ死なないのを知っててこういうやり方をやって来てるのよ」
俺は笑いたくなった。
今俺が住むこの世界で、何が起こっているのかは知らないが、面白くなってきた。
殺し屋とヴァンパイア。
なかなかいいコンビかもしれない。
「よし分かった古乃実。レッスン1の続きをやる。先ずは玄関の向こうの輩たちから片付けるぞ」
古乃実は心底嬉しそうな笑顔を俺に見せた。そしてこう言った。
「はい。先生!」
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