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俺は声をなくして、まじまじとウサギ男の顔を見た。
「それってあれか、恋人の真似事をする…」
「そうそう。理解が早いと説明をしなくていいから楽ですね」
「そんなもの俺にやらせてどうするんだ。そういうのは、その手の専門業者に流せばいいだろう」
「依頼人の指名なんですよ」
「指名?なんの指名だ」
「殺し屋の恋人が欲しいと…」
俺は言葉が見つからなかった。そんな依頼は初めてだった。正直戸惑いを隠しきれなかった。
「依頼人は都内の定時制に通う16歳の女子高生。期間は一ヶ月でもう契約済みです。更新はありません。契約後は好きにしてください。殺しても構いませんよ」
俺はウサギ男を睨んだ。無表情なのが不気味だった。
いったいこいつは何を考えている…
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