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古乃実とは毎日同じ時間にあって、定時制の学校が始まる時間に合わせて別れるようになった。
デートの場所は遊園地や公園、ドライブなどより、カラオケやゲームセンターが多かった。不思議と古乃実は普通の女子高生が行く様な場所は好まなかった。
食事も必ず地下の飲食街だった。お目当ての店を古乃実が調べてきていている、そこまで地下鉄に乗って移動するのだ。
「古乃実、何でいつも地下ばかりなんだ?」
「えっそうかな?そんなこと無いと思うよ」
「そんなことあるさ。公園もドライブもNG。特に何か相談する訳でもない。何のために俺を雇ったのか疑問だ」
「えーだったら今度ドライブに連れて行って。金曜日の夜。学校が終わってから。首都高をぐるぐる周るだけでいいからさ」
「そりゃあ、構わないが…」
どうもしっくり来なかった。
俺は古乃実の通う私立高校に向かって、マセラティを走らせた。ナビが案内した目的地は23区内の高級な住宅が立ち並ぶ閑静な場所にあった。驚くことに、既に数台のお迎えのベンツやジャガーが通りに横付けされていた。
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