第二章:07

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ふと、気になってたずねる。 「……ところでノーちゃんとはなんだ」 「――ノー・フェイスはいるか?」 ……たずねたところでタイミング悪くCET作戦本部長――御厨が入室する。 自分はともかく、本当なら火之夜たちは立ち上がって迎えなければならない 相手のはずだが、まったくフランクな態度を崩さず軽く手をあげて挨拶する。 「ノー・フェイスならそこにいますよ、御厨女史」 「……………………そうか」 普段の様子から、この二人には並々ならぬ絆があることは感じていたのだが 今はなぜか、火之夜から微妙に目をそらして答える御厨。 「何の用だ?」 「ああ。先日から話している通り、今後フェイスダウンが現れたとき  アルカーと共に対応にあたってもらう。――その話は了承してもらえたな?」 「むろんだ」 すっ、と立ち上がる。フェイスと戦うのは望むところだ。 ということは、フェイスダウンが現れたのか? 「ああ、早合点させてすまない。そうではなく――出動時の話について、  おまえに紹介するものがある」 「おおおぉぉぉッッ!」 なぜか桜田が目を輝かせてとびつく。子供のようにはしゃぎながら、御厨に聞く。 「てことは! ()()の手配が済んだんですな!?」 「フ……まがりなりにも官給品としてはいささか高価だが、そこはまあアレな?  権力者のアレソレでな?」 「くぅぅーーッッッ! この悪代官! 愛してるぅッ!」 よくわからないテンションでよくわからない話が盛り上がる。 なにか得体のしれない居心地悪さを感じ、火之夜に助けを求めるが―― 「――苦労するぞ、これから」 ……なぜかやたらと疲れ果てた顔で、同情するような視線を送られてしまった。
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