第二章:07

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・・・ 「おおおおぉぉぉおぉぉッッッ! I-I2! Tsuzaki社製の1000CC  "モンスターバイク"ッッッ!!」 「厳密には1000CCを越えていないがな……ああ、この光沢。素晴らしい」 CETの整備工場。そこには二大の大型バイクが並んでいた。 一台は、猛禽のような面構えの赤いバイク。もう一台は鏡面仕上げにより 美しく輝く黒いバイクだ。どちらも、そこにいるだけで周囲を圧倒するような 威圧感がある。 「"Xinobi I-I2"。水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒に  スーパーチャージがついた怪物マシンだ。圧縮された空気を送り込むことで、  高い出力をひねり出す。みろ、この禍々しい鼻先を。  まるで牙を剥いたドラゴンだ」 なるほど、見ようによっては竜の頭に見えなくもない。機械はその機能以外 気にしたことがなく、意匠などまじまじと見たことはないが―― 「なるほど、悪くない」 「おッ!? いいねぇノーちゃんわかるかい? バイクはやっぱり  見た目がいいに越したことないよ! まあ愛嬌のある子も好きだけどさ」 くねくねと悶えながら桜田がばんばんと肩を叩く。 「……で、これがどうしたのだ?」 「うむ、その赤いバイクは火之夜のものだ。アルカーはコレに乗って  現場に駆けつける」 なるほど道理だ。アルカーにせよ、ノー・フェイスにせよ数十mを一秒で 駆け抜ける。時速で言えば二百kmを越える。(瞬間的にはその何倍も出るが) が、その速度で何十kmも駆け抜けられるわけではない。一人しかいないアルカーが あちこち引きずり回されるとなると、足が必要だとは思っていた。 これが、そうだったとは。 「で、だ。基本的に、アルカーとお前は二人一組で行動してもらう。  そのためには足並みをそろえる必要がある」 「……つまり、これにオレが乗れと?」 話を察してたずねる。御厨は妙に自信たっぷりに頷く。
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