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視界が広がって見えたもの
それは、颯と女の子の写真
私は直感で分かってしまった
「だれ?この子?」
「俺、彼女できたんだよ」
やっぱり………
「へえー
良かったじゃん!
まさか、颯に彼女とはねー
先越されるなんて、思ってなかったよ」
ズキン
ズキンッ
ズキンッッ
なに?この感じ
今まで颯に感じたことのない感情だ
私はそのことを悟られないよう
足早にその場を立ち去った
そして、どこに行くわけでもなく
ひたすら廊下を歩き、階段を登り
ただひたすら
ひたすら
颯から逃げるように
後ろから颯の声が聞こえるけど、振り返らず
ただ前に前に歩いた
ドンッ
その瞬間
私の視界が宙に浮かんだ
「あぶねっ!」
うん?
私浮いてる?
違う
目の前に知らない人の顔があった
「すみません」
とっさにその人から離れた
「大丈夫?」
目の前の人がそう問いかけた
「はい、すみません
ありがとうございます」
そう言ってその人の顔をもう一度見た
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