長女と次男

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 蓋の裏側の部分にあるポケットに紙が挟まっていた。 見ると説明書と書いてある。 それを抜き取り目を通す。 『道具1、幽霊ウォッチ』 姉は確か今回は大人向けのおもちゃと言ってなかったか? なのになんだ、この完璧に子供向けの 某ゲームのパクリみたいなネーミングは。  説明書を読んでみると、この妖怪もとい幽霊ウォッチは眼鏡になっていて これを掛けると、成仏してない幽霊が見えるとの事。  なんだかばかばかしくなってきた。 これはあの『ポシェットモンスト5』そのものでは? いやまあそれは使ってみてから レポートに書いてやるとしよう。  よくよく見たら大人でも耐えうる、いや意外と それはカッコいい眼鏡だった。 「まあこれを掛けて出掛けるだけで1万だし」 1万円とは、毎回モニタリング後に姉がくれる「報酬」の事。 「でも、今回は道具が5つあるから5万請求してみようかな」  僕は読みかけの小説に栞を挟み その眼鏡を掛けて出掛けることにした。
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