次の命へ

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 兄の命を奪ったのは姉の発明品だった。 でもそれは、たまたま姉の発明品が使われただけ。 姉は何も悪くない。 悪くないけど、もしかしたらどこかで後悔してたのかもしれない。  姉は本当に玩具としてこれを開発したのだろうか。 もしかしたら姉は、無意識のうちにどこかでもう一度兄(姉にとっては弟)に逢いたくて、 それでこんな道具の開発に着手したのかもしれない。  でも、その思いをごまかすために こんな風にダサいネーミングをしたのかもとも思う。  結局5つ目の道具 『幽霊トゥゲザー』 これの出番はなかった。 姉が僕の想像通りの理由でこれを開発したのだとしたら 本来の目的はこの道具だったんだろうと思う。 兄が成仏したと聞いたら 姉はどんな顔をするのだろう。 道具は3つしか使ってないから、結局請求は3万かな。 そんな事を思いながら 僕はレポート用紙を前に筆を取った。
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