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九条義孝(クジョウ ヨシタカ)は、校内でも有名な『変人』である。
眉目秀麗にして、頭脳明晰。運動神経も抜群で、何でも要領良くこなすことの出来る高校二年生である。
そんな、まさに理想的な少年であるはずの彼が、何故このような悪評に晒されることとなったのか。その原因は、彼の型破りにして破天荒な言動にあると言えるだろう。
彼の通うこの学校――『小倉学園高等学校』では、生徒が部活動に所属することを校則によって義務付けている。
もちろん、それは建前上の話であり、属してはいるものの顔を出さなくなる所謂『幽霊部員』と呼ばれる者も多く存在するのだが、新入生として学園に入学したばかりの生徒は、必然的に何処かの部へと入部することとなる。
通常であれば、入学したその時に、既存の部活動の中から自身の素養や関心事に沿った部を選択して入部しようとするところだろう。
しかし、後に変人と呼ばれることとなる彼、九条義孝の考え方は、他の生徒達とは明らかに違っていた。彼は新入生でありながら、自身の所属する部活動を一から作ってしまおうと考えたのだ。
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