第三章

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「じゃあ未来にはエドの世界が本当になるんですか?」  僕の意味を持たない問いに、年老いた医者は答えた。 「さあな、エドの描いた世界は自然を否定した世界だよ。しかし否定するか肯定するかは君達若者が決める事さ」  僕たちの話をつまらなさそうに聞いていたマリアが呟いた。 「解放軍が勝てば世界は変革されるわ。それこそ自然法を肯定する事よ」  太った商店のおばさんはぽつり「解放軍が来たら店が忙しくなるわよね」と呟いた。  エドはやがて本の続きを屋根裏部屋で書き始める。ガリ版で質素な本を作り、集まったみんなで回し読む様になる。
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