第三章

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「じゃあエドの本はどう思う? 遥か未来は物語の様に幸せになれると思う?」  それには目を伏せ片眉と顎を上げた。 「彼は夢想家よね。革命家でもなければ理想の社会なんて実現できやしないのに」  言葉の意味が理解できない僕は彼女から香る甘い香りに気が向き「ふ~ん」と気のない返事をする。  それを聞いていた隣で退屈そうに植物図鑑を眺めていた老紳士が「エドの予想は科学技術の進歩が実現させるだろうさ。しかし革命が成功するとは到底思えんね」と、言った。彼は医者と名乗った。
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