第一章
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僕の町には本屋が一軒しかない。 それは小さな町の中心地にあって、中央公園に面しているから結構繁盛している様子だ。 今日も僕は古びた自転車で石畳の振動を感じながら本屋へと向かう。 しかし何故だか今日は店の前が騒がしい。何台かのトラックやバイクが止まり、人だかりも出来ている。どうしたのかと人の垣根を分け入ると、占領軍の兵隊達が店の中から本を抱え出し、やがてガソリンを撒くと火を点けた。
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