最終章

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 レジスタンスのジムがエドとひそひそ話をしている。そしてエドは僕にガリ版で作った本を手渡すと「もう秘密の本屋も店じまいだ、今晩からは来なくていい」と言った。  秘密の本屋で顔見知りとなった人達がまた暗闇の中へと帰ってゆく。彼らがどこの何者なのか知らない。名前や職業を確かめる意味など無い。僕達は夜な夜なこのコミュニティに集まり、疑問と気持ちをぶつけ合うだけの存在だから。何処で何をしているのか、今この瞬間実際に存在しているのかさえも不確かな存在の僕達に確証など意味は無いだろう。
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