最終章

4/6
前へ
/27ページ
次へ
 その日の夜の事だった、重い雲天の夜空に飛行機の音が聞こえている。自分の部屋から眺めても、町は相変わらず闇の中に潜んでいる。僕はエドの渡した本を読む。  未来社会では全てが管理されている。生まれること、そして死ぬ事までも。人々は若さを保ち、何時までも生き続ける。例え事故で死んでも、次の日には同じ顔をした人物が補充される。人の死なない町、不幸など無い町、人間全てが幸せな町。  そこにはテロがある。取り締まる軍隊が居る。全てのものがある。ただひとつ、自由だけが無い。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加