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マリーはヴァーバラの耳元で囁く。
「そうだね。ん? 」
悪魔に使い魔の能力は通じない。
「マリー、超頑張ったでしょぉ? ご褒美はぁ? 」
今度はヴァーバラが笑みを作る。マリーの頭を引き寄せ、形の良い唇に自らの唇を重ねた。
「ん、んぅ……」
マリーもヴァーバラの首に腕を絡め、深く求める。
そんな二人の下から、むすっとしたマルクがぬっと現れる。
「……ヴァーバラ様ぁ、次は絶対俺が行きますからね! 」
ガバリと立ち上がると、ふわっと影になっている場所に飛び込み、そのまま吸い込まれるように消えた。
「……可愛いヤキモチだねぇ」
唇を離すと、笑みを深くする。
「もう! マルクってばぁ、空気も読まないんだからぁ~」
少しばかりむくれるマリー。
「……さて、次はさっぱりとした"前菜"がいいね。次の提供者は誰にしようか」
マリーの頭を撫でながら。すると、奥で扉が開く音がする。
「次の食事がきたようだ。……マルク、マリー、準備を頼むよ」
立ち上がり、狭間から人間界に繋がる『古本屋』に向かった。
おしまい
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