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「おい! 奈緒子! 昨日、俺より早く帰ったはずだろ?! なんで帰ってなかったんだよ? 心配するだろ?! 」
「……別に私がどこに寄ろうが、あんたに関係ないでしょ?! 」
頑張るねぇ、少年。でも、お嬢さんはうんざり顔だ。
「なぁ、奈緒……」
「宮藤(くどう)く~ん☆ 一緒に帰ろぉ~☆ 」
お? 見事に遮ったねぇ。
「いや、俺は……」
「え~? 街中とかぁ、マリーに案内してよぉ~? 」
「……私は関係ないでしょ。いってあげればいいじゃない」
少年とお嬢さんの擦れ違い。中々噛み合わないねぇ。
さて、少年は季節外れかは謎だが、今朝がたに転校してきた美少女の誘いを断れるか否か? ……いや、断れやしない。少年、お嬢さんを振り返りながらもマリーに引っ張られていくね。
「何かやな感じー」
「ねー? いきなり横取りとかー」
あー、お嬢さんたちの印象はよくないねぇ。
「可愛いって特しかないんじゃない? 」
可愛いだけで世の中渡れたら、どれだけいいだろうねぇ。
おや? お嬢さんが教室のドアを向いて……複雑な想いに浸っているようだ。
……さぁ、この一滴、どう変わるやら。
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