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「……さて、マリー」
一度本から目を離し、マリーに振り返る。
「なぁにぃ? ヴァーバラ」
一緒に見ていたはずのマリー。いつもと変わらずにヴァーバラを見つめる。
「フィクションは流れが読みやすい。しかし、ノンフィクションはわからないからこその醍醐味がある」
「……今の状況に混乱してるぅ? 」
遠回しな主の言葉に直球で返す使い魔。
「…うむ」
「大丈夫だよ、ヴァーバラ☆ 二人は"幼馴染み"じゃない~♪ 奈緒子チャンの怒りは自信のなさから来るもの。宮藤くんがぁいくらストレートで言ってもぉ、数を当て続けなきゃ響かないかなぁ。だけどぉ、宮藤くんはぁもう後に引けないのぉ。でも、奈緒子チャンは頭がいいからぁ、ね? 」
可愛く片目を瞑ってみせる。
「……少年の頑張りによる、時間の問題ということかい? 」
「うん☆ 数十分から数時間てとこかなぁ♪ 暫くはぁ、堂々巡りぃ☆ 喧嘩しないカップルよりぃ、喧嘩するカップルの方がぁ、お互いを~理解できると思うなぁ☆ 」
いつもの怪しい笑みが復活する。
「……ふふ、人間とは実に面白い存在だ。テンプレートを期待したが、逆も然り。我々には時間がある。"痴話喧嘩"とやらを堪能しようではないか」
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