素材の苦味はそのままに

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◇◆◇◆◇◆◇◆ 「……さて、マリー」 一度本から目を離し、マリーに振り返る。 「なぁにぃ? ヴァーバラ」 一緒に見ていたはずのマリー。いつもと変わらずにヴァーバラを見つめる。 「フィクションは流れが読みやすい。しかし、ノンフィクションはわからないからこその醍醐味がある」 「……今の状況に混乱してるぅ? 」 遠回しな主の言葉に直球で返す使い魔。 「…うむ」 「大丈夫だよ、ヴァーバラ☆ 二人は"幼馴染み"じゃない~♪ 奈緒子チャンの怒りは自信のなさから来るもの。宮藤くんがぁいくらストレートで言ってもぉ、数を当て続けなきゃ響かないかなぁ。だけどぉ、宮藤くんはぁもう後に引けないのぉ。でも、奈緒子チャンは頭がいいからぁ、ね? 」 可愛く片目を瞑ってみせる。 「……少年の頑張りによる、時間の問題ということかい? 」 「うん☆ 数十分から数時間てとこかなぁ♪ 暫くはぁ、堂々巡りぃ☆ 喧嘩しないカップルよりぃ、喧嘩するカップルの方がぁ、お互いを~理解できると思うなぁ☆ 」 いつもの怪しい笑みが復活する。 「……ふふ、人間とは実に面白い存在だ。テンプレートを期待したが、逆も然り。我々には時間がある。"痴話喧嘩"とやらを堪能しようではないか」
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