3人が本棚に入れています
本棚に追加
「……どこに行くんだい? マリー」
本を閉じ、歩き出すマリー。
「うふふ☆ もちろん、仕上げにいくのよぅ♪ 」
あれからどうなったか、ですってぇ? もちろん……、うふふ☆
◇◆◇◆◇◆◇◆
「ねぇねぇ、奈緒子チャン♪ 」
放課後のチャイムとともに親しく話し掛けられ、面食らう。
「え、なに……? 」
昨日の今日なのに満面の笑顔のマリー。
「今日マリーはぁ、奈緒子チャンとデートしたいのぉ♪ 」
爆弾発言に周りがざわめいた。
「うふふ☆ 奈緒子チャンはぁ、マリーを置き去りにしないでくれるよねぇ? 」
皆の視線が一斉に集中する。……視線の先の張本人は上の空でそれどころではなかった。
マリーはなにかを含んだような笑みで彼を一瞥する。
「さぁ、奈緒子チャン♪ マリーとデートだよぅ☆ 」
わざとらしく再度言うと、奈緒子の手を取り、歩き出す。
「ちょ、ちょっと! マリー?! 」
教室を出て、廊下を進む。呼び掛けても歩みは弛まない。
「なぁにぃ? 」
瞳だけ後ろに向け、愉しそうに応える。
「い、一体、どこにいくの? 」
戸惑う奈緒子に、更に笑みを深くするマリー。
「デートはぁ、行き先を知らない方がぁ、ワクワクするじゃない♪ 」
最初のコメントを投稿しよう!