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カーテンから照らされる太陽の光が私の顔を眩しくさせた。
「やたら変な夢だったな」
私は起き上がって朝食を食べる。そして身支度を済ませて外に出た。
「それにしても『現実を見よ』か……」
唸ることのないスマホ。そして何も変哲のない道路。相変わらず私に吠える犬。そしていつも好きな時に買いに来る店。
私は店に入り、上の本棚の本を取ろうとした。同じ様に手を伸ばして取ろうとする者がいた。その手を見る。そこには夢に出てきた女子学生の店員だった。
「あっ、すみません」
「いつもご来店ありがとうございます」
彼女はにこやかに私を見て言う。
「ピンク色ですね」
「どういたしまして」と言うつもりが、そう言ってしまった。彼女は胸を隠すように赤面になってしまった。
「ごめんね」
「謝ってばかりですね、あの時も……」
「あの時?」
「いえ、なんでもないです」
彼女はそう言って去ってしまった。私の夢が叶うかは分からない。それでも叶うことを願うのが夢なのだろう。私はそれを現実で見ながらこの本屋から見つけた一つの本の教えにより、叶えていくのだろう。なぜなら、私は勝ったのだから。
-END-
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