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初めて店長に持った感想は落ち着きのあるクールビューティーな人だった。
二十代女性として肌の手入れはしっかりしているのか美しくスタイルも良い。
ちょっと怖そうと思いそうになるも、話せば直ぐにそんな考えは無くなり、とても良い人だと分かる。
「やあ、やっとるかな?」
「あ、いらっしゃいませ」
「薺ちゃんはいるかい?」
「今呼んできますので少々お待ちください」
本日2人目のお客さんは近所に住むお爺さん。昔から店長を気にかけているみたいで本を買いに来たと言うよりは、店長に会いに来たのが目的のが多い。
「店長?いつものお爺さん来ましたよ」
「え?ちょ!あっ!?」
倉庫を開けてビックリ。本の片付けをしている店長は私物の黒い大きなぬいぐるみに抱きついていた。
「……何してるんですか店長?」
「え、えっと。……我慢出来なくて?」
「何で疑問系なんですか。店長にお客さん来てますので来てください」
「あ、うん。……竹倉君」
「何ですか?」
「こ、この事はお爺さんには内緒だよ?」
人差し指で内緒のジェスチャーをした後、ぬいぐるみを置いて倉庫から出て行く店長。
「ハー。最高かよ」
1人幸福の溜息を吐く俺だった。
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