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『まぁ、告白するかしないかはお前次第だけど、中途半端に浸かっているといつか後悔するぞ?』
「そんな事分かっているって」
本当に分かっているのかと聞かれれば言葉に詰まる。
水切さんは俺より歳上で店長。
対して俺は歳下の学生でアルバイト。
恋愛に年齢は関係無いとか言われてるけど、いざその瞬間に対面すると動かなくなるのはヘタレの証なのだろう。
「店長、お疲れ様です」
「……」
アルバイト先に着いて最初に目に付くのは決まって読書をしている店長の姿だ。
カウンターで本をめくる店長。
普段は掛けない眼鏡をして集中している姿はいつもの様なクールな姿やドジっ子とはやはり違う第三の姿。
どの姿も俺はドキドキするけどそれは本人には言わない様に努力している。言ってしまったらこの日常が終わりそうで。
「やっぱりヘタレだな。……お疲れ様です店長!」
「あ、竹倉君。学校お疲れ様。今日は特に入荷とかも無いから着替えたら棚の整理お願い」
「了解しました」
同時に外される眼鏡を残念だけど、店長は眼鏡をしててもしなくても素敵なので良しとしよう。
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