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「時に竹倉君。彼女いるの?」
「……どうしたんですか急に」
やめて下さい。ビックリしすぎて心臓止まるかと思いましたよ。
「この本を読んでいたんだけどね。どうも分からないの」
「分からない?」
店長が持っているのは少し前に流行った青春ラブコメの小説。
「実は私は恋愛経験が疎くてね。感情移入はできないし、どうして赤面とかするのか分からないの」
「意外ですね。店長は美人で可愛いところもあるしさぞモテたんじゃないですか?」
ヤベッ!つい本当のことを言ってしまった!
……まぁ、店長の事だし首を傾げているぐらいだろう。
「な、なな!何を言っているんだ君は!わ、わた、私が可愛いなんてあるわけないだろ!」
前言撤回。顔を真っ赤にして凄い狼狽えてらっしゃる。
「ほ、ほら!君はどうなんだね!君は恋愛経験があるのか無いのか!」
「無いですけど俺、店長の事は好きですよ?付き合いたいとも思っています」
「え!ちょ!?ぇ!か、かか、片付けに行ってくる!」
全力ダッシュで倉庫に消えた店長。
その背中を見つめていた俺の心情は、その場の流れで告白をした自分の愚かさと最高に可愛い店長の姿に興奮。2つの感情が混ざり合い、悟りの扉に手をかけていた。
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