ここはどこ

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ここはどこ

(暑い。) 皮膚がジリジリする痛みと、喉の渇きで目が覚めた。 雲ひとつない青空だ。 (何ここ。どこなんだろう。) 体を起こすとそこには砂浜が広がっており、 その先は一面の海だった。 (ん、ちょっと待って。えっと、確か、、、) この状況を把握しようと思考を巡らせたが、すぐに気付いた。 (あれ、何も思い出せない。。) ここに来る直前までしていた事、これどころか自分のことすら何一つ覚えていなかった。 頭の中でぐるぐると考えていたが、日差しが痛くてそれどころではなくなった。 周りを見渡し海の反対側に目をやると、木々が生い茂っているのが見える。 (あそこなら日差しを防げる。) 足早にそこへ向かうことにした。 遠くから見ていた時より、ずっと奥の方まで続いており草木を掻き分け進んで行った。 すると開けた所に出た。 中央には池があり、近づいて覗き込むと水が綺麗に透き通っている。 すぐに手で掬い上げ顔に当てた。 (あー冷たくて気持ちいい。) 少し緊張がほぐれたのか、急にお腹が鳴った。 (こんな時でもお腹が空くなんて。) (とりあえず何か食べるもの見つけないと。いつ帰れるか分からないし。) 再び木々が沢山ある場所に向かい食べれそうな物を探していると、運良く実のなっている木を見つけた。 それ程高くない場所に実を付けていたので簡単に取ることができた。 とても甘い香りがする。 勇気を出して一口食べた。 (美味しい!もっとたくさん取っていこう。) 手に持てるだけ持って池の場所へ戻った。 (果物だけじゃ不安だなぁ。) (そうだ!海で魚を釣ろう。枝や蔦で釣竿を作れば取れるかも。) 材料を集めて早速作ることにした。 枝はよく撓るものを選び、蔦は細く長く頑丈なのを探した。 そしてお手製の釣竿を持って海へ行った。
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