第1章

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「親切に火力を弱めてくれた礼だ」 火は消えさり、何のダメージもなく涼しい顔をした女が立っていた。 「貴様!貴様あああああ!!」 激痛と怒りのあまり、女へと突進するブロク。 女は突進をかわしながら、魔物をある場所へと誘導する。 「捕縛!」 女が短く言葉を発すれば、地面から蔓草が伸びてきて魔物の巨体を縫い止める。 魔物は逃れようともがくが、蔓草はびくともしない。 「娘え…貴様は何者だ!?」 左目にナイフを生やしたまま、憎悪と憤怒に染まった表情で女に問いかける。 「お前を狩る者だよ」 女は縫い止められている魔物の目前に膝を折り、左目のナイフに手を掛け引き抜く。 ガアアアアアア ナイフを引き抜いた衝撃で、ブロクの左目から大量に出血する。 ブロクは痛みに耐えられず、吼える。
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