第1章

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女は叩き落とされたナイフを確認しながら、懐から同じナイフを取り出し構えた。 「魔物風情に私が殺られるか。逆に狩ってやるよ、犬」 女は魔物を挑発的に見る。 「わしにもブロクと言う名があるのだがね、娘さん」 犬と呼ばれた事に不快感を露に、名を名乗る魔物。 「どう見ても犬だろう。まあ何でもいいさ、そろそろ始めようか。犬っころ」 言うが早いか、ナイフ片手に魔物ブロクに向かって疾駆する女。 狙うは右前足! 腕と手に力を込めて切りつける! が、ブロクは女の攻撃に慌てず狙われた右前足の爪でナイフを止める。 スパっ 「なっ!?娘、そのナイフはまさか!」 ナイフはブロクの爪先を、キレイに切断した。 予想外の事に流石に慌てるブロク。 「ただの魔道銀製ナイフに何を慌てる?」 女はニヤリと口角をあげ、挑発で返す。
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