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女は叩き落とされたナイフを確認しながら、懐から同じナイフを取り出し構えた。
「魔物風情に私が殺られるか。逆に狩ってやるよ、犬」
女は魔物を挑発的に見る。
「わしにもブロクと言う名があるのだがね、娘さん」
犬と呼ばれた事に不快感を露に、名を名乗る魔物。
「どう見ても犬だろう。まあ何でもいいさ、そろそろ始めようか。犬っころ」
言うが早いか、ナイフ片手に魔物ブロクに向かって疾駆する女。
狙うは右前足!
腕と手に力を込めて切りつける!
が、ブロクは女の攻撃に慌てず狙われた右前足の爪でナイフを止める。
スパっ
「なっ!?娘、そのナイフはまさか!」
ナイフはブロクの爪先を、キレイに切断した。
予想外の事に流石に慌てるブロク。
「ただの魔道銀製ナイフに何を慌てる?」
女はニヤリと口角をあげ、挑発で返す。
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