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「ほ?今までのナイフよりはマシだが、本当に役に立つのかえ?」
邪悪な目を細め、警戒をしながらも魔物ブロクはくつくつと笑う。
「ああ、粗方の準備は整った。そろそろ仕上げだ」
女は取り合わず、冷静に切り返す。
「ならば!これで終わりにしてくれる!!」
ブロクは大きく息を吸い込み、翼をしならせる。
口を開ければ、女に向かって炎の息吹を吐き出し、翼で作った風で炎を煽る!
女は為すすべなく炎に呑まれた。
直前に発せられた言葉は悲鳴だったのか…。
「案外アッサリだったの。手応えのない…。運動をしたらまた腹が減ってきたわい、早く焼けんかのぅ?わし好みに焼ける様に火力調整はしたが、上手く行ったかの?」
犬の魔物は、独り言を言いながら火に近づく。
ズブリ…
ブロクの左目に違和感が芽生える。
次いで激痛が走る!
ガアアアアアア!
無意識に吼える魔物。
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