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「気にしなくて良いよ早樹ちゃん
改めまして、槙野 真 です。海月から何時も聞いてるよ“とっても元気な優しい女の子”てね。
会えて嬉しいよ。宜しくね」
とっても優しい穏やかな声で、真さんに声を掛けられて思わず今まで只管向けていた視線をそらしてしまった。
その失礼な態度に慌てて視線を戻し
声と同じ柔らかな笑顔を目にして思わず今度は下を向いてしまった。
駄目駄目、これじゃ失礼を通り越して挙動不審になってしまう。
「初めまして、山科 早樹です。
お会いできて光栄です。」
と、仕事のような挨拶をしてしまった。
そんな私を見て、海月さんは不思議そうに聞いてくる
「どうしたの早樹ちゃん、なんか……変」
海月さんのその言葉に、思わず勢いよく顔をあげて言ってしまった。
「変て、海月さんが結婚してるなんて知らなかったんですもん、3年もここに通ってるのに秘密にするなんて、海月さん酷い!」
と、ちょっと大きな声で
これじゃ責めてるみたいだ
自分のその言葉に、自分で落ちこんで又下を向いてしまった。
「あはは………だからか……
海月、お前店では独身貴族で通してたのか?聞いてないぞそんな事
それじゃ驚くよな、行き成り“旦那様です”て言われても………、うん……海月が悪い。早樹ちゃん、もっと言ってやってよ。俺も心外だなぁ……」
そう言って真さんは私を援護してくれた
「あっ、違うんです……
別に責めてる訳じゃ……でも、ちょっと驚いたと言うか………ううん……とっても驚いたと言うか……その……」
上手く言葉に出来なくて、小さくなって座る私を見ていた海月さんは、私の隣の席に腰を掛けていた。
ぐるっと椅子を私の方に向けて
腕を組んで、胸を反らせて少し目を細めて私を見下ろすように静かな声が落ちてきた
「ちょっと………早樹ちゃん……私も心外なんですけど……それに……早樹ちゃんこそ酷い!」
冷たい声で告げられて
慌てて顔をあげた
そこには、クールを通り越した初めて見る
海月さんの冷たい眼差しがあった
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