最後の扉を……

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海月に電話をしようと、掌の中のスマホをスライドさせようとした時親指が動きを止めた 冷たくスマホに映し出された 余りに短い文章は 俺の言葉を拒んでいるかの様に見えた 海月が言葉を紡ぐまで待とう そう決めてスマホを伏せた それから2カ月 海月からは次々と業務報告の様なメールが届き 俺は電話をするタイミングを見つけることが出来ないまま帰国した 海月からの業務報告の様な依頼メールは 彼女の仕事が覗える程、完璧に記されていて“口実の問い合わせ”と言う電話すらも拒絶しているかのようだった
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