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「自分を振り返って……
…………今に戻ったから、気付けたんですよ」
ただ彼女を見つめるだけの私に、彼女は続けて告げる
「自分を振り返って、取り返しのつかない後悔と向きあって……現実に戻る
そして又、自分に後悔をする
私は、貴男がここで後悔を見つめてくれて良かったと思っています。」
「えっ?」
彼女の言葉の意味が全く理解出来ない私は
彼女を見つめた
そんな私に、彼女は儚げな笑みを浮かべて私を諭す様に言葉を紡ぐ
「一人で後悔と懺悔の時間を過ごすと
現実に戻るきっかけが無いですもの……
だから……良かった
ここに来てくれて……
私は、そう思ってます」
はっきりと、私を見ながら微笑みと共に彼女がくれた言葉に私は救われた
いや……多分私は
ここに来たあの日から彼女に救われていたのだと気づいた
涼子との結婚記念日に初めて訪れて
後悔と懺悔の渦に呑み込まれた時からずっと……
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