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私は“私のカップ”に残る冷めた珈琲を飲み干した
「もう1杯……この珈琲を頂けますか?」
私の言葉に、海月さんは嬉しそうに微笑み頷いた
店には、サイフォンのリズミカルな音と
何時もより際立つ
懐かしい薫りが漂った
“涼子のカップ”に注がれた
懐かしい………海月さんが淹れた涼子の珈琲が私の前に届けられた
ゆっくりと
穏やかな心で珈琲を楽しむ時間は
何にも代え難い時間だったのだと
過去を振り返って思う
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