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「そう言えば……涼子の頼んだ【私と涼子の珈琲】は、出来てるんですか？」
席を見つめる海月さんに聞いてみた
「もちろん」
彼女は、胸を張って笑って答える
「早樹ちゃんに手伝って貰って
まず、お祖母様の珈琲から特訓したんですよ
合格点頂けますでしょうか？」
そう言い小首をかしげておどけて見せる
そんな可愛らしい彼女に笑いながら
「勿論です」
私もはっきりと伝えた
「じゃ、その新たな珈琲も涼子と二人で楽しまないといけませんね。
次来るときは、涼子とこれからを語る事にします。【海月さんの珈琲】お願いしますね。」
そう告げた私に優しく微笑み頷いた
「わかりました。
じゃ思い出を楽しまれたい時は
奥様のカップで奥様の珈琲を
奥様と語りたい時は、このカップで私の珈琲をお出ししますね」
そう言いながら、カウンターに残る私の珈琲カップを手にとって見せた
私は、思い出を振り返る時間と
これからを語り合う時間
二つを彼女に貰い、店を出た
心なしか心の苦痛が減っていた
あの広い寂しい家に帰る
“孤独”という苦痛が………
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