最期の約束を果たす日

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☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ satiの祖父 私の祖父は 優しい人だった 怒られた記憶は殆ど無い 小さい頃、歩いて三分の祖父の家は私の遊び場だった 祖父は手引きのミルで 珈琲豆を引いていたカリカリガリガリ 子供の私には、何をしてるのか分からなかったし興味も無かった 《おじいちゃんと出かければ喫茶店に行ける》 子供の頃当たり前に思っていた事 祖父の珈琲と私のクリームソーダ 98才まで生きた祖父 でも……祖父が元気なときに 祖父と二人で珈琲を楽しむために喫茶店に入ることは無かった それが少し………心残り もっと早く今の私が居たならば いっぱい美味しい珈琲飲ませてあげれたのに…… 最後にホームに持っていったのは 珈琲が飲めなくなった祖父に コンビニの珈琲ゼリー エプロン姿で食べる祖父の姿が 私がみた最後の元気な祖父の姿 祖父が好きだった珈琲は どんな珈琲だったのだろう どんな小さな事も【今】は【現在】でしか無く 【あの頃】をやり直せるものではない そんな当たり前の事を見逃しながら 人は、生きていくのだろうと思う ☆☆☆☆☆☆satiの心の思い出
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