最後の扉を……

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********* 「ねぇー真!ちょっと手伝ってー」 脚立に乗って背伸びをしながら 私は店の中の真に呼びかけた 「うん………なに……ウヮッ!!」 私が作ったサンドイッチを頬張りながら顔を出した真が思わずのけぞった 呼ばれて扉を開けたら、そこには私の2本の脚が通せんぼをしていたのだ。 思わず二、三歩後退る彼に笑いを堪えながら状況説明 「ごめんなさい、このリースを彼処に引っ掛けたいんだけど……後、数㎝届かないの……」 脚立に乗って、扉の横壁に左手をつき 右手をめいいっぱい上に伸ばしながら肩が痙りそうになる 「又………えらくでかいリースだね」 私の横をゆっくりとすり抜け真後ろから真の感想が溢れる 「何時もの、扉につけるのはどうしたの?」 と………質問もきた 「………有るわよ。替えたの……記念に」 本当は昨日 たまたま街で見掛けて、一目惚れして衝動買いをしたら………店の扉には大きすぎた……だけ 歯切れ悪く答える私を見つめながら 何かを察したかのように真は笑う 「何?」少し不服げに聞いてみた 「いや………代わるよ。降りて君は窓拭きでもしなよ」 そう言って差し延べてくれた真の手を取る 脚立から降りると、私の右手はやっと所定の長さに戻ることを許されたと、ホッとする
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