最後の扉を……

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************ ---五年前 「皆さん、長らくお世話になりました」 私は、今一度皆さんに頭を深く下げた。 「いやー、君が辞めるとは思わなかったよ 最後まで勤め上げてくれると期待してたんだけどね」 前に立つ結城部長は、腕組みをしながらそんな言葉をくれる 「はい、私も思いませんでした」 笑って返した。 本当に、思いもしなかった“こんなに早く辞める事になるなんて 「青池さんを頼りにしてたのに 本当に残念だけど、君の人生だもんね。」 山野辺リーダーが結城部長に並んで、そんな言葉を口にする。本心では無いだろう そんな事を思ってると、何か思うことがある顔した悦ちゃんが私に近づいて少し小さな声で聞いてくる 皆が私を見てるのだから、小さな声で聞かれても皆が聞いてる 「青池主任、今後のご予定を聞いておりませんがご結婚のご予定でしょうか?」 ちょっと意地悪な顔ですよ 悦ちゃん……… 彼女は知っている。 私が真と外で会ってるときに、一度見つかったから 「残念……… そんな華々しい未来が有るなら、ここで胸を張って皆様の祝福を受けたい処ですね。 私もその【予定】は聞いておりません」 正直に答えた そう、私が退職を決めたのは そんな華々しい結婚退職じゃ無い そんな歳でもない 私が退職を決めたのは “夢”と言う扉を開くため もう……この仕事に いや、この会社に未練はない
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