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「ふふっ………嘘よ
だって、私に仕返ししてたんでしょ
相談もせずにメールで《会社辞める》て伝えたから………」
軽く首を振りながら
真に謝る必要は無いことを伝えた
驚いた顔で私を見ながら
「ちゃんと解ってたんだ……」
一言、ぽつりと溢した彼は私をしっかり見据えてはっきりと聞いてきた
「じゃ、何でその後のメールは珈琲豆の購入依頼や業務報告の様なメールが続いたのかな?」
真の表情は少し穏やかになったけど
その視線は鋭く私を見つめる
「…………」
「海月、答えて……何でかな」
今日の彼はひいてはくれない様だ
俯き加減に答えた
「だって………」
尚も私を見つめ続ける彼の視線を感じた
今日は逃がしてくれないか……
小さくため息を吐いて覚悟を決めた
「だって………悔しかったんですもん……」
その言葉と共に
膝に置いたハンカチを思わず握りしめていた
そう……
私は悔しかった……
…………自分が女で在ることが………
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