絶対 見るな

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 正面を向いた女の顔を見て、俺は驚きで椅子から転げ落ちそうになった。 「な、なんだよこれ!?」  女の顔半分はただれていて、赤い皮膚に黄色い膿のようなものがわき出ていた。本来右目があるべき場所は真っ暗な空洞となっていて、そこから赤い涙が流れ出している。 「く、くそ! 消えろ! パソコンが止まらない!?」  ウインドウのバツ印を押しても、画面の中の女は消えることはなかった。右側だけ歯がむき出しになっている女の口がゆっくりと動く。声は聞こえない。 「な、何か言ってる……。いや、マジやばい、電源! 強制終了を!」  思い切り電源ボタンに指を押し込み、パソコン画面が真っ暗になるのを待つ。  しかし、画面が消えることはない。  女が何かつぶやきながら、ゆっくりとこちらに手を伸ばした。  その瞬間、俺の全身は冷たい電流が駆け抜けたような衝撃に襲われる。  やばい、これは本当にやばい。  立ち上がり、パソコンを放り投げてしまおうかと思った瞬間、プツンという音がして画面が真っ暗になった。ディスプレイに映っているのが顔色の悪い自分であることを確認して、大きく息をはいた。
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