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0    起きたら部屋が変わっていた。  そこはサミュエルの部屋らしく、隣は仕事部屋になっていた。  仕事が変わるようで、僕は身振り手振りでここにいろと言われその通りにする。  サミュエルはせっせと僕に食べ物を差し出し、夜は仕事部屋のソファーで寝ていた。  することもなく、寝て、起きて、料理を口にしてすごした。  数日後には風呂に連れて行かれ、髪を切られた。丁寧に髪を梳いたサミュエルが、新しいシャツとズボンを差し出してきたのでそれに着替える。 「見違えたな、貴族の子供のようだ」  機嫌のよさそうなサミュエルに手を引かれ、食堂へ行った。  そこには兵士がたくさんいて、席へついてからも視線がずっと集まっていた。  サミュエルがお盆を二つ持って戻って来て、ひとつを僕の前に置いた。そうして隣に座り、ジェスチャーで食べろと促されフォークを持つ。 「団長、新しい従者ですか?」  サミュエルの前に座った兵士が、楽しそうに僕を指差し何かを話している。 「まあ、そんなところだ」 「へー、名前はなんていうんですか?」 「あー、名前な。そうだな……ブランだ」  それから、僕はブランと呼ばれるようになった。     
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