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 腕に抱えたブランは軽く、身体の薄さも相まって人形のようだった。こんなに華奢な子供を抱き上げたことはなく、同じ人間なのかと不安になった。  神子は、この世界とは違う神の国から来るとされている。その体形は様々らしいが、全体的に華奢らしい。  肖像画などを見ても、どの神子も儚い。だけどどの神子も、優しい笑みを浮かべていた。  腕の中で大人しくしているブランは、表情を変えない。  それが何故か、無性に悲しくなった。  柔らかく細い髪は、薄い茶色で黒ではない。食事をするブランをジッと見つめ、ふとその眉とまつ毛に目がいく。  濃い茶色の瞳に、長い黒のまつ毛。眉もこれは、黒ではないのか?  食事を終えたブランを、風呂へと連れて行く。ほっそりとした肢体に部下の視線が集まるので、風呂へはあまり連れて行かないのだがこの時間なら大丈夫だろう。  服を脱いだブランの下肢を盗み見れば、子供の可愛らしい性器周辺には薄く黒い毛が生えている。 「ブラン」 「はい」 「……君は、その髪の色は生まれつきなのか」  いや、馬鹿々々しい。彼はもう何年もここにいて、その間に髪を染めるようなことはしていないはずだ。 「違います」 「そうか……なんだと?」  洗い場で身体を擦るブランの横に座り、濡れた頭を見下ろす。 「染めているのか?」 「はい」 「いつ?」     
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