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部屋が変わった。
サミュエルに連れられ城の中にある、かなり広くて豪華な部屋に置いて行かれた。
ベッドは四人くらい寝られそうなほど大きく、シーツの肌触りはいい。
寝室の隣はやはり広い部屋があり、応接室の様になっていた。ふかふかのソファーと豪華な家具。与えられる服はひらひらと装飾過多だ。
世話をする女性が二人いて、起きてから寝るまですべての世話をしてくる。
僕が手を動かすのは、何かを口にする時くらいだ。
仕事はないようで、勧められた本を読む。庭を勧められれば庭へ行く。
商人がやってきては宝石などを見せてくれるが、興味などないしお金もない。
厚い雲を見上げては、本へ視線を落として過ごしている。
一度白い軍服を着ていた、僕を殴った人が来た。この国の王太子殿下らしいが、おざなりの謝罪をしていった。
第二王子という人もたまに来て、欲しいものはないかと尋ねてくる。
誰も僕を必要としていないので、口を閉じて生活をしている。することがないので、ただ息をしていた。
サミュエルがやって来た。
紺の軍服を着たサミュエルは男らしく、世話役の女性二人がうっとりと彼を見つめている。
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