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「入りたまえ」
声と同時にぱっとドアを開けると、爽やかな笑顔を作りながら彼は社長デスクに近づいた。
「あの。何か、ございましたでしょうか?」
直角に気をつけし、大神は社長に向き合った。
普段の傲岸は微塵も感じさせない態度だが、その目は抜け目なく、集まっている顔ぶれを追っている。
皮張りの執務椅子に優雅に腰掛ける三鷹社長と、傍らに控える第1秘書、松嶋七緒はいつもどおり。
しかし、少し離れたソファに人事部長と副社長が座っている。
何だ、この顔ぶれは。
察するに、宴会のお叱りではなさそうだが…
くそっ、全く分からん。
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