2 突然の災厄

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「入りたまえ」  声と同時にぱっとドアを開けると、爽やかな笑顔を作りながら彼は社長デスクに近づいた。 「あの。何か、ございましたでしょうか?」   直角に気をつけし、大神は社長に向き合った。  普段の傲岸は微塵も感じさせない態度だが、その目は抜け目なく、集まっている顔ぶれを追っている。  皮張りの執務椅子に優雅に腰掛ける三鷹社長と、傍らに控える第1秘書、松嶋七緒はいつもどおり。  しかし、少し離れたソファに人事部長と副社長が座っている。  何だ、この顔ぶれは。  察するに、宴会のお叱りではなさそうだが…  くそっ、全く分からん。  
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