2 突然の災厄

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 と、三鷹社長がのんびりした様子で話を切り出した始めた。 「大神君、君は実によくやってくれている」 「ありがとうございます!」  えーい、出たとこ勝負だ。  彼はいかにも嬉しそうに、はつらつと45度に頭を下げた。 「実はね。  君の業績に兼ねてから注目していた役員から今朝、君に北九州支社を任せてはどうかという話がでたんだよ」 「え」  マジか!?  大神は耳を疑った。  彼はこの冬で30になる。この年齢で支社長なんて…先例のない快挙だ。  うまくやれば、この先役員だって夢じゃない。 そうか、やっぱりアレは、いい事がある前触れだったんだ! 「そ、そんな大役、私のような者に務まるわけがありません」  込み上げる喜びを隠しきれない。喜びに震える声を懸命に押さえながら、大神はそれを固辞してみせた。  と、ソファから副社長が立ち上がり、ふくよかな顔に満面の笑みを浮かべながら、大神の肩を叩いた。 「ハハハ、謙遜するな。  確かに。まだ若すぎるのではないか、という意見もあったんだがね。 社長の鶴の一声だ。決まりだよ、大神君」
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