4 気が付く時は大抵遅い

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4 気が付く時は大抵遅い

「課長ぉ~、オオカミ課長~~」  恒例の朝のランニング。  大神が水呑場のベンチで休んでいると、赤野燈子が手を振りながら駆けてきた。 「なんだお前、随分と久しぶりじゃねえか。  まだやってたんだな」  憎まれ口を叩きながらも、大神がベンチの席を少しずれると、燈子はストンと横に腰かけた。 「失礼な、 これでも4回…いや、3回くらいは続けてます!」 「嘘つけ。俺は毎日来ているが…お前に会ったのはこれで2回目だ。  それに、それは “続けている” とは言えないよな」 「うっ、厳しい……  あ、でも。見てくださいよ、ホラホラ」  呆れている大神に、燈子は嬉々としてウエストポーチから大きな包みを取り出して見せた。 「じゃーん!オニギリ」 「……」 「あれ?  えーっと…  前に課長が、栄養バランス考えろって、言ってたでしょ。コレが結構効果あってね」
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