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ベンチに腰かけて一休み。
ドリンクを飲みながら、朝焼けに染まる景色を見るともなく眺めていると、真っ白なプードル犬が視界に入ってきた。
さらにそのリードの先には、清楚な雰囲気の妙齢の美人。
__彼女、よく見かけるな__
一昨日もその前の日も、いつもすぐ先の水のみ場近くで一休憩し、ワンコを遊ばせていたはずだ。
もしかして、もしかすると。
大神の経験上、これは自分に気がある予兆(サイン)。
試しにチラッと視線を投げると、チラチラと向こうからも合図が返ってくる。
よし!イける。
大神はベンチを立つと、にこやかに彼女に近づいていく。
「やあ、よくお会いしま…」
成せない恋の苦しみから、彼が仮初めの恋へと逃避しようとした時だった。
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