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「そうですか!?
やっぱりそうですよね~」
…うっ。
ぱっと朝日に弾けた笑顔に、一瞬くらっと目眩がした。
高鳴る鼓動を、腕時計を確認するふりで誤魔化した大神は何とか冷静さを保ち、腰を上げた。
「…い、いかん、もうこんな時間だ。じゃあまた会社で。
今日は遅刻するなよ」
「ふぁ~い」
気の抜けた燈子の返事を聞くか聞かないかのうちに、大神はダッシュでその場を逃げ去った。
しかし…ラッキーだったな。
朝から彼女に出くわすなんて。
そういえばアイツの家、この近くだったっけ。
ニヤッ。
思わず頬を緩めていると、通りすがりの老夫婦に、不気味そうに体を引かれ、慌てて顔をもとに戻す。
__しかも…
アイツは気付かなかっただろうが、実はさっきの、こっそり間接キスだった__
ニヤッ。
と、向こうからやってきた朝練に向かう部活生の一団が、チラチラと彼を見ながら囁いている。
彼は再び、キリッと顔を整えた。
__いかん、俺としたことがまた…
アイツが絡むとどうも調子が狂ってしまう。
今日は何だか良い日になりそうだ。
今朝の夢、やっぱり逆夢だったかな…
さて、余分なカロリー分、もう1km延ばすか_______
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