2 突然の災厄

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2 突然の災厄

 AM7:40分。  大神は、朝一番に出勤する。  いつもなら30分には課に入っているのだが、今朝は思わぬ道草を食ってしまったから、10分遅れでのスタートだ。  パソコンと、コピー機の電源を入れてから、ブラインドを上げ、窓を少し開けて空気を入れ替える。  爽やかな朝の風を受け、伸びをひとつした時____  カラスが一羽、目の前を横切った。  あれ、もしかして今日、不吉?  彼はゲンを担ぐタイプだった。  「はよっす。課長、早いっすね~」  8:00になると、早出の課員がチラホラと出勤してくる。  以前、若い奴に『上司が先に出てくると、煩い』と言われたことがあるが、そこまで部下に気を使ってやる必要もない。  8:25。  キッチリ管理主義の彼は、皆の出社状況を確認するために、部屋全体を見渡すのだが…  ああ。やっぱり。  いつもどおり赤野が遅刻だ。  朝、ちゃんと言ったのにな。    予め深く息を吸い、怒鳴る用意を整える。  3年目ともなると、最早それは業務課の朝の風物詩となっていた。  ところが…… 「おはようございま~す」  今朝に限って、元気良く間延びした声が入り口から聞こえてきたじゃないか。  な、何ぃっ!?  大神はサッと青ざめた。  信じられない、  赤野が定時に出社した。  やっぱり今日は、何かおかしい…
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