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「さて、色々と話したい事がまだまだあるんだけどそろそろ時間なんだ」
サーゼクス様は非常に悔しそうな表情をしながら私の手を撫で回しています。もう片方の手はグレイフィアさんにより撫で回されているので使えません
「あ、そうだった。君に大事な事を聞きたかったんだ」
「何ですか?」
「私の妻になってくれアイリス」
「!?」
撫で回すのを止め急に真剣な表情に切り替わったサーゼクスにアイリスは思考が追い付かない
「さ、サーゼクス様はグレイフィアさんとご結婚なされてるのでは?それに子供も居ますよね?」
「ああ、確かに私はグレイフィアと結ばれ子供も居る。だがあの日から君をどうしても諦められなかったんだ!」
机越しに身を乗り出してくるサーゼクスにアイリスは少し距離を取りながらグレイフィアに助けてもらう為に視線を向けるが
「サーゼクス様の妻は私とアイリス様です。そして私の夫はサーゼクス様とアイリス様です」
何処か誇らしげに言うグレイフィアに支援は期待できないと分かり速攻で視線を外す
「い、いや私ってパッと見ても人間に間違われるけれど機械人形ですよ?人形に愛を語られてもですね………」
「そんな事は関係無いよ!僕は君に恋をしたんだ!」
「私もサーゼクス様に全面的に同意します」
な、何て息のあった連携プレイをするんですかねこの夫婦は………
「す、すみませんが私にはまだしなくてはいけない事があるんです」
「………それは白雪武君の事かな?」
「はい。ヂェースチェ様を立派な主にするのが私の勤めですから」
アヂン様との約束でヂェースチェ様の代までは私が彼等の面倒を見る約束ですからね
「………分かった。だけど君の役目が終わったら返事を聞かせてくれないかい?」
「………………はい」
流石にまだまだ先なので返事は気長に考えましょう
「それでは長々とすみません。それでは」
グレイフィアさんが用意してくれた魔方陣で自宅に帰ることが出来ました
アイリスが帰った後サーゼクスは1枚の紙を見つめていた
「此処に書いてあるのは本当かい?」
「はい。一言一句間違いはありません」
「そうか」
サーゼクスは持っていた紙を燃やしながら作業机に戻る
「ライザー・フェニックスには一度死ぬ思いをさせないとね」
「ええ、私達のアイリス様にあの様な言葉を掛けたのですから」
二人が同時に笑うが部屋の空気は殺伐としていた
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