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アヂンと話し合った結果アイリスの立ち位置はアヂンの第二婦人に落ち着いた。勿論アヂンを始め各守護者達に渋い顔で見られたが彼女の意思は変わらなかった。それから数年後に第一婦人が出来彼の子供が産まれた。そして月日は流れてアヂンは寿命を迎えた
「ああ………本当に君に出会えて俺は幸せだった………」
色素が抜けた白髪に皺が出来た顔のアヂンを眺めながらアイリスは彼の手を優しく握る
「全く本当に老人になったなアヂン」
「ハハ………何十年も経ったからな………君はあの頃から美しいままだ」
「お世辞言っても何も出ないぞ」
「本心だよ」
「………………そっか」
今こうして話しているが彼の脈は徐々に弱まっている事はアイリスには分かっていた。後数分もすれば彼はこの世を去ることも
「………君に頼みがあるのだ」
「ん、何だ?言ってみろよ」
「君を縛り付ける様で嫌なのだが私達が作ってきたラードゥガファミリーを頼む」
「………ああ、任せろ。私が居る限りラードゥガファミリーは絶対に守って見せるよ。だからお前も安心して逝け」
「そうだな………お前が居る限りラードゥガファミリーには未来が有るだろう」
徐々に意識が遠退き始めているアヂンは最後にアイリスの頬を撫でながら嬉しそうに言った
「君に出会えて俺は幸せだった。愛してるよ………私の愛しきアイリス………」
撫でていた手がベットに落ちる。アヂンはとても幸せそうな顔でこの世を去った
「私も貴方に会えて幸せだったよ。さよならアヂン」
涙は流れない。何故なら彼女は人形だからそしてこれからも彼女は大切な人達を見送る側に立つ
「さて、アヂンの遺言通りにラードゥガファミリーをこれからも支えるとしますか」
そしてそれからはアイリスはボスの右腕としてでは無く次期当主を育てるメイドとしてラードゥガファミリーに使えることになった
その後ラードゥガファミリーの次期当主とその守護者は初代アヂンの右腕として 輝いていたアイリスが育てることになったのだ
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