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「アヂンお前は私に面倒な呪いを残してくれたものだ………」
もう二度と誰かを愛さないと決めていたのに私を求める人の声を聞いてしまった。それも当時のアヂンと同じくらいの真剣な眼差しで
「答えはまだ出してないよ。すぐに決めたらお前が認めた女が軽い女に見えるだろ?だから、武を立派にラードゥガのボスにするまでは待ってもらう事になったよ」
どんなに愛を囁かれても今のアイリスにはそれに触れることが出来なった。それは過去のアヂンとの約束や彼女の心情も噛み合ってアイリスはそれ以降誰とも結婚していないのだから
「ああ、言い忘れてたよ。もし武がボスに就任した時は私はラードゥガファミリーを離れるよ。もう私の力が無くてもきっとやっていけるよ」
記憶の中のアヂンや守護者達が何処か呆れた表情を浮かべながらも何処か楽しそうに笑っている気がした
「だからもう少し待っててくれよ」
それだけを言い残しアイリスは一度頭の中の記録や情報を最適化する為に目を瞑り意識を手放した。目が覚めたのはそれからは一時間後の事だった
「合宿ですか?」
「ああ、あの鳥擬きを倒す為にリアス先輩が森の奥で修業をする為に合宿を開くらしいんだよ」
「それで部員であるヂェースチェ様も参加と?」
「そうそう、アイリスが寝ている間にリアス先輩のメイドが来て一時的に俺を悪魔陣営の兵士(ポーン)で出場するらしい」
「………グレイフィア」
私が寝てる間に何をしてるんですか!全く
「分かりました。その合宿の事は認めますが代わりにレイナーレ達を連れていってください」
「え、何で?」
「当然です。従者の一人も連れないでそう言った場所に向かうなんて言語道断です!それに最近ではレイナーレ達もそれなりに上達してますので連れていっても損はありません」
「………アイリスがそこまで言うのなら」
「グレモリー様には私の方から事情を話しておきますので」
「分かった」
「それでは御休みなさいませ」
頭を下げてから武の部屋から出たアイリスは携帯を取り出し電話を掛ける
「夜分遅くに申し訳ありません。グレモリー様にお伝えしたい事が………」
それから半日掛けて修業に必要な荷物を用意してから明日の朝食の準備に移った
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