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青年は口調を少し敬語に戻した。彼なりに“大人の対応”をしたのだろう。役員の男は机においてある青年の履歴書を手に持って改めて目を通した。役員に謝るそぶりはないようだ。
「海城聖斗君ねー。お前みたいのは初めてだ」
役員の男は青年の名前を読み上げ、青年の方を改めて見てみた。
「強情だな。お前のような奴はうちじゃなくてもだめだろうな。しかもこの時期にやっているなんてろくでもないのしか、いないしな」
青年聖斗は役員の自分に対する愚痴というか悪口に嫌気がさし、さらにイライラしてきている。
それほど役員の言うことに腹が立っている。
「何だ。お前はほんとになめてんのか。お前の大学からはもう取らん。全てはお前せいだからな。後輩から恨まれることになるんだ。ざまぁーみやがれ」
「ついでだ。最終面接の発表をしてやろう。いいだろー? すぐ結果が聞けるというのは・・
・・・・。お前は」
役員は手を握り絞め、親指を突き出し、そして首の端から端へ親指で引いた。つまりクビという意味であるがこの最終面接では用はない不合格を表している。表情はニヤニヤしていたのである。その瞬間・・・・
「ふざけんなよぉぉー。てめぇぇぇぇーーーー」
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