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聖斗はとうとう大声でぶちきれてしまった。短気というわけでもない。少し気が短いという所もあるがあれだけのことを言われてしまえばしかたがないだろう。大声でキレタ瞬間に突如、衝撃波が走ったというべきだろうか。聖斗からとてつもない気のようなものが目には見えないが放出された様子がある。
「そうやってバカにするのも大概にしてくれよな。こんなひどい会社は初めてだ。こっちから拒否させてもらう。とんでもないクソ企業だ」
「お前、何なんだ。今の」
役員はあの瞬間、衝撃波のようなものに押されて机と椅子ごとひっくり返されてしまい、驚いている表情にある。見下す目から化け物を見る目に変っていた。
「知らない。何でひっくり返っている。俺は何もしていないが」
聖斗は気づいていない。よくわからないことが起ったのは確かなようだ。
(化 け 物 か・・・・。関わりたくない。)
「もういい。結果は決まったんだ。帰ってくれ」
もう終わりにしたいようだ。役員の表情はさっきとは違い歪んで、怯えているようだ。
(化け物だと・・・俺はただ怒りをぶつけただけだけどな。仕方ないな)
「わかりました。もう帰ります。大変失礼なことしてすみませんでした」
聖斗はもうあきらめた。これ以上相手に何をいってもしょうがないと思ったからだ。
最後にわけもわからず“化け物”だと言われてしまえばなおさらだ。
(くやしいが。帰るか。まぁ、言いたいこといったからな)
「一つ聞いてもいいですか。俺に“化け物”ってどういう?・・・」
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